2013年12月5日木曜日

ポケモンXY フランスとのつながりは


 Youtubeに投稿されている Gaijin Goombah さんの Game Exchange シリーズより、『ポケットモンスターXY』の分析を簡単に紹介。名前の元ネタやモチーフになったと思われる伝説などを取りあげている。ネタバレ含む




The Pokemon X and Y French Connection - Game Exchange



 ポケットモンスターXYの舞台がフランスであることは発売前からすでにクリエイターの増田氏によって明言されていたが、この動画ではポケモンやキャラクターの名前に注目しながら、その「フランスっぽさ」について考察がなされている。

 例えば「プラターヌ博士」という名前の発音は、いわゆる「スズカケの木」を表すフランス語から来ている。英語版では Professor Sycamore となってしまっているが意味は同じだ。プラターヌ博士の容姿や性格はまさにイメージ通りのフランス人男性であるし、登場シーンの音楽ですらフランスらしさを漂わせている。

 ポケモンの名前からもフランスらしさが見て取れる。 
 シュバルゴの元ネタはchevalier(フランス語で騎士)+escargot(フランス語でかたつむり)。英語版ではEscavalier(エスカバリエ)になっているが、順番を入れ替えただけで由来は日本語版と全く同じだ。
 デデンネは電+antenne(フランス語でアンテナ)。
 フラベベはflower(花)+bébé(フランス語で赤ちゃん)。 
 トリミアンはtrim(トリミングする)+très bien(フランス語で素晴らしい、とても良い)。
 ビビヨンは美、あるいはvivid(鮮やかな)+papillon(フランス語で蝶)。
 …という具合に、フランス語から来ていると思われる名称も多い。

  カロス地方の各地域もフランスと重なる。ミアレシティの英語名は Lumiose City だが、これは「光の都(La Ville Lumiere)」として有名なパリのことだろう。"lumi"は「光」を表す。同時に、パリは文字通りの「光(light / lumi)」だけではなく、例えば教育や芸術、学問の発展という意味での「啓蒙(enlighten / illuminate)」の中心地でもあった。ミアレシティに美術館や研究所があるのはそのためだ。

 また、AZのモチーフとなった可能性がある伝説にも触れられている。フランス・スペインのバスク地方に伝わるキリスト教以前の神話で、巨石記念物を作った巨人と伝えられる話があるという。また、タブーを犯したために永遠に放浪を続けるという点では「さまよえるユダヤ人」とも類似性があるのでは?と指摘している。

 このように、いたるところでフランスがテーマになっていると示唆されていたため、スタッフロールで母国語の歌詞とフランス語歌詞が同時に表示されるのも、特に驚くことではなかったかもしれない。ただ、まさか7ヶ国語の歌詞が表示されるとは、 Gaijin Goombah さんも予想外だったらしい。国内市場ばかりに目を向け、国内ウケだけを狙った日本製のゲームをいくつも目の当たりにしてきた彼にとっては、衝撃的だったようである。世界の人々への愛を感じ、「とても感動した」と動画を締めくくっている。



 ポケモンシリーズは、名前や観光名所の元ネタ探しも楽しみのひとつ。作る側も読み解く側も相当の教養が必要になるため、毎回「すごいなあ」と感心させられる。ただ、動画では時間の関係からかパリ以外の地域にはまったく触れられていないし、ポケモンもフランス語に関係する名前しか取り上げられていない。またもちろん、ここで紹介されている情報がすべて正しいとも限らない。
  その他、特に気になった由来はこちらの記事にまとめた。

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